「それに私の名前は『ミネルダ』

 ラファエルはただのコードネームに過ぎません」

「そう言うのはミーちゃんだけだよ。

 皆、そのコードネームに誇りを持っている。

 キョーちゃんにつけられた名前を大切に思っているのは」

「そういう貴方だってコードネームを嫌悪しているじゃないですか」

「天使の内務監査役は裏切り者を捜すのが任務だから嫌いなだけなの!!」

「私の事、報告しないんですか?

 裏切り者がいるって」

「今の任務はこの戦いを見届ける事だから」

「そうですか、では私はこれで」

ラファエルはそう言って風と共に消えていった。

「・・・・・・言えるわけ無いじゃん・・・・・キョーちゃんの事が好き何て聞いたら・・・・・・」

ラグエルは複雑な顔をしながら呟いた。

























EVANGELION〜術士の力〜





第十五話「信念の強さ」





シュウジ

















エヴァの発進と同時に、オペレーターのシゲルから緊急の報告が告げられる。

「目標内部に高エネルギー反応!!」

シゲルは更に報告を続ける。

「円周部を加速!収束しています!!」

「!!まさか・・・?加粒子砲!?」

「最終拘束具を外せ!!直ぐに!!」

キョウはオペレーターに指示をする。

「りょ、了解!!」

指示を受けたマヤが、慌てながらも操作する。

「(ここまでは前回と一緒か)」

キョウは、カタパルトの勢いで大空に舞い上がったエヴァを、モニター越しに見ていた。





























二機のエヴァが大空に舞い上がった瞬間、ラミエルから加粒子砲が放たれた。

加粒子砲は兵装ビルを一瞬にして貫き、エヴァの射出口に注がれる。

「ここは空から行くしかないな」

空なら角度の関係で加粒子砲が届かないだろう、と考えたシンイチは参号機の翼を展開させ空に滞空する。

一方、初号機は参号機のように翼が無いので地面に着地する。



『使徒の射程距離がわからないから、離れてるといっても油断するな。

 絶えず動き回れ!!』



キョウから通信が入ると、初号機に乗っているレイはラミエルを中心に、円状に走り出す。

参号機は手をラミエルに突き出すと、手を中心に六つの雷の球が発生し出す。



[神楽流"雷術"六雷円]



「喰らえ!!」

シンイチが叫ぶと、六つの雷球は螺旋を描くように、ラミエルに向かっていく。

一人を除いて、誰もがこれで終わったと確信していた。

しかし、ラミエルの周りにあった鏡が、六つの雷球を遮断する。

六つの雷球と鏡は、大きな爆音と光で両方とも消えてしまった。

シンイチはその爆音と光で一瞬だが集中力が乱れた。

ラミエルはそのチャンスを逃すはずも無かった。



『何ぼさっとしてる!!早く避けろ!!!』



「え?」

キョウの言葉も虚しく、気付いた時には右翼に加粒子砲が被弾し、参号機はその衝撃で地面に落下していく。

「く!?翼のせいで安定しない」

翼のせいでまっすぐ落ちていかず、シンイチはバランスをとるのが難しく背中から落ちてしまう。

「ぐっ!!!」

参号機は運悪くビルの頂上に激突してしまい、背中を大きく打ってしまう。



『このまま戦っても勝てない!!一時撤退だ!!』



零号機は回収できたのだが、一向に参号機は動こうとしない。

「が!!あっ!」



『シンイチ!!お前、まさか背骨が!!』



参号機は背骨が折れてしまい、シンイチはその激痛で動けないでいる。

痛みでショック死しないのは訳があった。

参号機と直接シンクロしているシンイチはエントリープラグを貫かれるか、参号機のS2機関が停止しない限り死ぬ事は無い。

大切な人を守る、というシンイチの信念の強さを知っているキョウが出した答えがこれだった。

過剰シンクロでシンイチに傷つくが死ぬ事無い、という残酷な答え。

死にも勝る苦痛を味わうシンイチは喋れないでいたのだ。

ラミエルはそんな事情を知るわけも無く、加粒子砲を撃とうとする。



『おい!加粒子砲が来るぞ!!術を使え!!!』



次の瞬間、ラミエルの加粒子砲が参号機に放たれた。



[神楽流"闇術"闇障壁]



ラミエルと参号機との間に、闇の壁が展開される。

それにより加粒子砲は、闇障壁に吸い込まれるように消えていく。

しかし、加粒子砲の影響で闇障壁が薄くなっていくのがありありと見える。



『すぐ傍に回収口がある!!其処まで頑張れ!!』



限界を超えているシンイチは、地面を這い蹲りながらもギリギリで回収口に着く。

その時、闇障壁は加粒子砲により破られてしまい、参号機に向かうがタッチの差で無事に回収が出来た。





























「(ち、あの鏡は加粒子砲を反射させるのか。

  しかも天使が三人もいる、くそ!!)」

キョウは降りてくる参号機を見ながら自分の無力さにムカついていた。

ラミエルの加粒子砲を防ぐ事は出来たのだ。

しかしそれをすればキョウは天使に殺されていただろう。

キョウの気が逸れた瞬間、天使は一気に攻め落とすだろうと考えていたのだ。

「(明らかに殺気を放ってるのが一人。

  様子を伺ってるのが二人か、戦うしかなさそうだな)」

キョウにとっては明らかに誤算。

自分はこの世界に来てから術を極力控え、奴らにどのぐらいの戦力があるのか見せたくなかった。

しかし実際は既に三人も動いている。

実力を見極めてから攻撃を仕掛ける天使達だが、これほどまで迅速に対応して来るとはキョウも思っては無かった。

「(少し予定より早いが殺るしかないか)」

キョウは今まで見せた事の無い、復讐鬼の顔をしている。

「(始まるよ、これで良いんだよな?)」

キョウは誰かに問うように自分の愛刀『草薙』を握り締めていた。





























「第五使徒の情報報告をします。

 使徒は加粒子砲での遠距離攻撃が可能で、一定距離内に侵入した場合。

 または遠距離からの攻撃にも自動排除するものと予測されます」

作戦部の会議室では第五使徒での議論が繰り広げられていた。

「エリア侵入と同時に加粒子砲で狙い撃ち。

 ATフィールド中和可能なエヴァによる近接戦闘は無理というわけね」

ミサトは手を顎に当て、考え込んでいる。

「敵のATフィールドは?」

「健在です。

 相転移空間を肉眼で確認できるほど強力なものが展開されています」

「問題は其処じゃない、あの鏡がむしろ問題だな」

議論の最中にキョウは横槍を入れる。

「どういうこと?キョウ君」

「ちょっと、さっきの戦闘シーンを見せてくれないか?」

キョウに言われたとおりに、スクリーンには先ほどの戦闘シーンが映し出された。

そして参号機が術、六雷円を使うシーンが流れる。

「ココで止めてくれ」

キョウはスクリーンの前に立ってラミエルの鏡と六雷円を指差す。

「この鏡はある程度のエネルギーを跳ね返す性質を持っている。

 壊す事は出来てもその間に狙われるのが落ちだな、これを見れば解る」

映像は鏡と六雷円が衝突し大きな爆発を起こし粉塵が舞い、視界がほぼゼロになる。

次の瞬間ラミエルの加粒子砲が参号機の翼にあたる。

「これがそうだ、使徒はこの鏡の性質を利用して加粒子砲を反射させている。

 それにより本来四門しかなく、入射角が限られているのが鏡によりどの角度にも対応出来るようになっている、

 と考えて間違いないだろう」

「まさに空中要塞ね、これでは空からの奇襲作戦も無理か・・・・」

ミサトは頭を抱えたくなった。

使徒からは現在直径17.5Mの巨大ドリル・ブレードがネルフ本部に穿孔中、時間も後10時間ぐらいしかない。

残る作戦は二つ。

一つは死を覚悟しての特攻、そしてもう一つは・・・・

「超長距離からの直接攻撃しかないようね・・・・・」

「そうだな、それしか良い方法は無いだろう。

 S2機関搭載の超長距離用ポジトロンスナイパーライフルを使うしかないか・・・・」

キョウは予想していた事とはいえ、複雑そうな顔をしていた。

「(一応もしかしたらと用意した物だがまさか使うとはな。

  あれの制御が出来るのはまだシンイチのみ、あれは狙撃の得意なレイ専用武器なんだけどしょうがないか)」

精密な制御が必要なキョウの作ったS2機関搭載の超長距離用ポジトロンスナイパーライフル。

自動制御装置がついているとはいえ、あの鏡の合間を縫ってラミエルに直接当てる事は無理だろう。

だからといって、鏡ごと使徒を撃破させる事は不可能ではないが多大な負荷をかけてしまい、一発が限界だろう。

シンイチのいた世界では二発で撃破、今回も最低でも二発は必要と考えると作戦は失敗。

「(シンイチが近接戦闘で鏡を破壊、その後レイで狙撃が理想的だがレイにはまだ無理。

  ・・・・・・こうなったら少々手荒いけどレイに頑張ってもらうか)」

ミサトもこの作戦を思いつくだろう、とキョウは思いレイが控えているチルドレン控え室に向かっていた。

























後書き



どうも、シュウジです

さてさてシンイチがラミエルに負けてしまい、状況は悪い

天使との対決も避けられないキョウ

次回はますます戦闘が激化しているでしょう

楽しみに待っててください(^^)

良かったら感想おねがいしまーす













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